逆賊からの旅だち  斗南藩の人々

斗南藩とは、現在の青森県の下北半島、三戸、五戸の地域に

あった藩である。戊辰戦争で敗れた会津藩は廃され、

1869年(明治2年)、旧南部領に3万石を得て「斗南

藩」を立てることになる。1870年(明治3年)に新天地への移住が始まる。

約2800戸、家族を合わせて1万7000人におよぶ移動である。

だが、新領地は荒廃地であり、実高は7000石ほどに過ぎなかった。

しかも斗南での慣れない開拓事業は困難と悲惨をきわめた。

そうしたさなかの1871年(明治4年)7月、明
治新政府は廃藩置県を断行、

斗南藩はわずか1年と数ヶ月のみで姿を消したのである。

逆賊、朝敵と呼ばれ、蔑まされても、誇りを失うことなく生き抜いた、

元会津藩である斗南の人々。移住した三戸町を中心に、

それらの人々を追った。