八戸自由大学第4回講座より抜粋

講座名

 「成果がすぐ出る職場のコミュニケーションスキル」 ~大切なのは解決志向~


講師名 榊原明美氏

榊原氏プロフィール  
臨床心理士。(株)ライフデザイン総合研究所常務取締役・主任カウンセラーおよび専任講師。横浜市出身。和光大学人間関係学部人間発達学科卒業。児童養護施設、DVシェルター、メンタルクリニック、企業カウンセリングルームのスタッフを経て、現在は個人向けカウンセリング業務、カウンセラー養成のための研修、企業・団体向けのコミュニケーション・スキルやメンタルヘルス研修の講師として活動。2002、2003年度大阪大学フロンティア研究機構プロジェクトメンバー。2006年度経済産業省「技術経営人材育成プログラム導入促進事業」の実践的MOT教授法導入試行事業プログラム開発研究員。著書に「部下がウツになりまして」(2012年 毎日新聞社)。

講座より抜粋

Good & New
「Good & New」とは、二十四時間以内(New)にあった良いこと(Good)を、職場や家庭で一人ずつ話していき、拍手で終わるというトレーニング方法です。ほとんどの人は、「困ったな。良いことなんて思い浮かばないよ」と、戸惑いますが、どんな些細なことでもいいから、「良いこと」を思い浮かべましょう。たとえば、「今日はあいにくの曇り空だけど、雨にならなかったからいいや」というふうに、都合よく解釈することでもいいのです。この「Good & New」を行うと、「ゴールは良いところにあればいいんだ」という肯定的な思考になりますし、問題が生じても、「じゃあ、それをどう解決しようか」という方向に思考と気持ちが自然と向かうものです。職場では朝礼などの際に、キャッチボールをしながら、ボールを手にした人に、「昨日はどんな良いことがあった?」と尋ねて一人ずつ発表してもらいます。一人の発表が終わるたびに、その人に向かって「良かったね」「頑張ったね」と共感の言葉をかけて拍手することを忘れずに。また家庭でも、夕食時、「今日一番嬉しかったこと」と「今日一日がんばったこと」を報告しあい、共感やねぎらいの言葉を掛け合いましょう。いやな気持ちで一日をスタートさせ、いやな気持ちで一日を終わるより、良い気持ちでスタートさせ、良い気持ちで一日を終了させるほうが、心が穏やかになりますし、良い話を話したり聞くことで、明日への励みにもなります。(その後、参加者同士で「Good & New」のレッスン)

センタリング(丹田集中法
籐平光一氏が教える合気道の極意です。自分の最大限の力を発揮させることができるように、体を導く精神統一法で、ブロ野球元巨人軍の王貞治氏は、コーチの荒川氏とともにこの極意を習得して一本足打法を完成させました。センタリングを用いることで、落ち着いた状態で、自分の最高のパフォーマンスを発揮するための準備ができ、自分の力を最大限に引き出すことが可能となります。丹田とはへその下三寸(約10センチ)にあって、「氣」を集めるところ、通常の気持ちの落ち着きどころ(平常心の定位置)とされています。そのために臍下丹田(せいかたんでん)という言われ方もします。落ち着かない、すぐにカッとなる、緊張するという場合、氣が丹田からずれて上昇してしまっているからです。常に自分の中心が丹田にあることに意識を集中させましょう。丹田集中していると心を整えられるばかりか、潜在意識につながりやすくなり、過去に習得した学びや経験を思い出し、いざというときに生かしやすくなります。(この後、丹田集中法のトレーニング)

丹田集中法
①椅子に腰掛けて背筋を伸ばす。
②膝を自分の肩幅の位置まで開く
③からだの奥行きのちょうど半分のところに、薄い板が腰までスーっと入っていることを想像する
④両手の指先をV字に重ねるようにして、へそ下約10センチの位置に当てる
⑤その位置からまっすぐ水平に一本の棒が入っていき、その先が薄い板とぶつかったとイメージさせるところが丹田
⑥目を軽く閉じて、ゆっくり深呼吸して、丹田一点に集中する。その際、自分の内側にある目で丹田を集中して見つめるようにイメージするとよい。

成果を上げるには、解決志向でいることが重要である
解決志向のためのその1 どうなればいいのかをイメージする
           その2  そのために何をすればいいのか考える
           その3  それを行う(具体的に行動する)

ねぎらう気持ちを伝えていこう
AさんとBさんが2人一組になって、まずはAさんから「私は日ごろ、人知れず、こんなにいいことをしているんです」「我ながら自分でもよく頑張っているんです」といったことを二分間話していただきます。Bさんはそれをよく聞き、もしBさんが男性だったら天皇陛下か仏様、女性だったら皇后陛下か神様など、できるだけ高貴な方、人格的に優れた方をBさんに憑依(乗り移り)してもらいます。そしてAさんの話に対して、Bさんは1分間、ねぎらいの言葉をかけますが、Aさんは決して「ありがとうございます」と言ってはいけません。これが終わったら、今度はAさんとBさんの立場を変えます。つまりBさんは「頑張っている」話を、Aさんが聞き役、ねぎらいの言葉をかける役です。ねぎらうには、その人の器量が重要です。ねぎらうことが上手でないと、わざとらしくなってしまったり、かえって相手に辛い思いをさせたりしまいがちです。そこで天皇陛下や皇后陛下、神様、仏様になりかわって相手をねぎらうという方法を考えてみました。自分を高貴な立場に置いてねぎらいの言葉をかけることは、第三者ばかりでなく、自分自身に対してもできます。また、自分自身のがんばりや貢献をねぎらわれると、これまで頑張ってきてよかったと心底勇気が湧いてくるものなのです。厳しいだけの人と思い込んでいた上司から、たった一言ねぎらいの言葉をかけられただけで、上司の印象は一変します。こんなふうに、いやな相手に対しても、ねぎらいの言葉をかけることにより、相手もあなたも幸せな気分になるのです。(この後、2人一組になって「ねぎらいの気持ちを伝える」レッスン)