八戸の経済、なぜ、なに?

 
平成26年度八戸自由大学第4回講座より抜粋

講師・高橋俊行氏(八戸学院短期大学ライフデザイン学科教授  八戸地域社会研究会会長)

演題 「八戸の経済、なぜ、なぜ あれこれ・・・?」
     ① 良い物価上昇・悪い物価上昇とは?
     ② これから八戸の企業は何で食べていくの?
     ③ 信用金庫と銀行、どこがどう違うの?
 
高橋俊行氏略歴  立教大学経済学部経済学科卒業。1992年八戸信用金庫小中野支店長、根城支店長を経て、同信用金庫理事・営業推進部長、営業本部長、はちしん地域経済研究所所長を歴任。その後、八戸テレビ放送顧問・営業部長。吉田産業協同組合理事。八戸短期大学ライフデザイン学科教授、八戸短期大学総合研究所副所長。

 昭和51年9月に「はちしん経済レポート」(現青い森信金とれんど情報)を発刊するなど地元の信用金庫時代に培っ経済産業の調査活動の経験を踏まえ、東北新幹線八戸駅開業の経済効果や八戸港舘鼻岸壁みなと日曜朝市、冬季国体の経済効果、八戸漁連30年史など、地域の現状分析や成長産業の研究調査に携わっている。また、営業推進本部長時代のマーケティング活動の実践ノウハウを生かし、地域における人的ネットワークと東経連ビジネスセンターなどの東北地区の産業技術のネットワークを活用しながら、地域の中小企業の経営ノイノベーシンの支援と若手経営者の人材育成と地域経済の再生に貢献する。

 

講座から抜粋
 

 良い物価の要因(デマンドブル型インフレ)
 ① 景気回復→賃金上昇→需要増加による上昇(円安による輸出増加)
 ② 所得増加→購買力増加による上昇(賃金・株価上昇)
悪い物価の要因(コストプッシュ型インフレ)
 ① 輸入物価上昇→ 燃料・原材料・商品の上昇(円安によるお金の流出)
    輸入インフレ
 ② 資源価格(石油・穀物)→資源インフレ
 ③ お金の供給増→通貨インフレ(お金の価値低下・通貨発行)
 
◎少子高齢化現象をプラスに考えよう
 ① 家屋のストックビジネス市場に注目
   ○ 住宅のリフォーム(増改築)  耐震・省エネリフォーム
   
   ○ 住宅の省エネ化
   ○ 高齢者世帯のバリアフリー
   ○ 中古物件のリノベーション(改装)
   (例)ヤマダ電機の再販売ビジネス(オール電化後の販売)、住友不動
    産の「新 築そっくりさん」、集合住宅のシェアハウスなど

②お一人様ビジネス市場に注目
  1人暮らし、2人暮らしの高齢者に、使いやすい商品やサービスを提供
   する仕組みを考える
  ○ 住宅→高齢者が1人で暮らしやすいタイプの住宅開発→シェアハウ
   ス・サービス付き高齢者住宅
  ○ 自動車→タクシーの買い物利用→月極め買い物タクシー(月一万円
    で走行500キロ以内など)
  ○ コミュニティ居酒屋→晩酌付き夕食レストラン(片町の朝市コーヒー、
    カネヤマ)
  ○ 酒類離れ→低アルコールの飲食を楽しむイベントを開催→ホテル・
    レストランと酒店がコラボ
 

  商業施設が消費者に近づく仕組みを考える
  ○コンビニ産業→「空き家」の活用による委託販売店舗(コミュニティビジ
    ネス・マージン15%)
  ○コミュニティ・ショッピングバス→高齢者地区・高齢者施設を運行(八食
    センターの100円バス、移動販売車など)
  ○訪問歯科診療サービス(デンタルサポート)
 
人生90年代 プラチナ社会をネガティブからポジティブに変えよう
  「幸せな長生きの必要条件」
  ○ バランスの取れた栄養
  ○ 適度な運動
  ○ 他人との交流
  ○ 新たな発想に柔軟
  ○ ポジティブに考える
    以上の項目からビジネスチャンスを取り込む
  新しい生活文化の提案
  「普及型需要」から「創造型需要」へ
 
  経済のグローバル化にチャンスあり
  国内市場の縮小傾向→海外販売市場の開拓→新興国の経済発展に
  着目→東アジアの内需化
 
  航空機産業に注目
  ○ 主要ジェット機の受注機数は2030年で世界市場300兆円
   航空機とはどういう産業か→輸送機産業の尖兵→多品種少量(多くて
   月数十機)→大規模エンジニアリング(300万点の部品・4~5機の試
   作で完成)→先端技術のフロントエンド(飛行機で起きたことは自動車
   でも起き、自動車で起きたことは飛行機でも起きる)
  ○ MRO(メンテナンス・リピア・オーバァホール)産業ビジネスに注目
   航空機の整備・修理に関わる産業→アジアの市場は今後10年間で
   成長期待→国内市場年間2000億円(2009年度・うち民間706億円)
   →国内の最大企業は(株)ジャムコ(メンテナンスの拠点は宮城県名取
   市)→複合材に特化した修理専門企業は海外にもゼロ。MRO企業の
   ネットワークの構築
  ○ 航空機産業のビジネスの経営資源
   三沢市航空機産業研究会(米軍基地・航空科学館)→仙台地区が航空
   機のメンテナンス集積→名取市にジャムコの工場建設→多摩川精機の
    航空分野の技術力→八戸市に炭素繊維複合材料のリサイクル技術
   研究所→東北航空宇宙研究会との連携→秋田輸送機コンソーシアム
   との連携(中国のエアバス)
  
 
  再生可能エネルギーの課題
  各地で地域の太陽光発電プロジェクトが起きる
    ○盛岡市→環境エネルギー普及(株)は盛岡信金が出資(再生可能
     エネルギーの事業提案を推進→紫波町の公共温泉施設(バイオマ
      ス+太陽光)→公民館・学校・企業の屋根に太陽光パネル
   ○石巻市→「おひさまコーポレーションー(株)」設立は石巻信金が出資
    (工場に屋根貸し太陽光発電事業(700㌔WH)→公民館・庁舎・学校・
    被災地
   ○気仙沼市→「地域エネルギーサービス会社」は気仙沼信金が出資
   ○福島市→地元の燃料販売会社「アポロガス」が売電事業
   ○「屋根貸し」ビジネスの事例 アポロガスの場合(福島市)→パネル取り
    付け額(160万円)→国助成(3分の1 53万円)→売電額(年1戸  
    15,2万円)→屋根賃料(年1戸 2,3万円)→投資回収期間(160万
    円-53万円/15,2万円-2,3万円=8,3年)
 
   八戸信用金庫ものがたり
   ○事業の始まり
    有限責任八戸鍛冶町信用組合は大正11年12月27日設立。設立趣
    旨は「人間が幸せに暮らすためには、お金が必要であるということで、
    当時、銀行に相手にされない小規模事業者や行商人たちが集まって、
    自分たちで出資した資金を融通しあう、相互扶助の精神に則る金融機
    関(協同組織金融機関)を設立した。
   ○八戸信用金庫誕生のいきさつ
    大正時代、鍛治町には五戸、七戸、三戸、軽米などの「市日」に出店する
    行商人15、6人のほか、指導する立場の商店主などがいた。だが、彼ら
    は出店する際の運転資金の捻出に悩んでいた。当時、銀行は店を構え
    る商人だけを相手にし、場末の零細な商人は相手にしなかった。そこで、
    青村善次郎氏が購買販売を提案、佐藤三戸郡長に相談したところ、「信
    用組合」を設立とたらどうかとアドバイスをする。石井萬吉氏の指示のもと、
    最初は八戸鍛治信用組合としてスタート、やがて信用金庫へと発展して
    いく。地域に密着し、会員の出資による協同組合として、また顔の見える
    身近な金融機関として、信用金庫は地域経済になくてはならない存在に
    なっている。