価値観の響育

 
平成26年度八戸自由大学第5回講座より抜粋
 
講師・田口豊實氏(臨済宗妙心寺派南宗寺住職)
 
 
演題 「価値観の響育(きょういく)」
     ・価値観の響育
     ・危機管理(クライシスマネジメント)
     ・八戸藩異聞(鬼面伝説)
 
 
田口豊實氏略歴  八戸氏生まれ。県立八戸高校卒業。東北大学教育学部卒、同理学部大学院研究生。花園大学卒業。臨済宗専門道場平林寺掛錫。臨済宗妙心寺派南宗寺住職。社会福祉法人八戸市社会福祉協議会会長。社会福祉法人青森県社会福祉。八戸仏教会会長。八戸調停協会会長。平成15年11月PTA活動振興功労者文部科学大臣賞表彰。
 
 
講師コメント
「自分自身の愚かさ、幼稚さ、教養のなさを知ることが学問をすることであり、人間の品格を養うことの基本である。我々の価値観、人間が成熟するために大いなる疑問を起こして戴きたい」
 
講座より抜粋
 
言葉の意味を本当に知ってますか?
虚仮(こけ)→逆のこと。「嘘こけ」のこけ。嘘の逆で、本当か?
火宅の人→家が燃えていること。転じて、家族間に問題が絶えない人のこと
天寿→120才のことをいう
祟り→「立ち直る」が語源であり、悪い意味ではなく、良い意味のことである
玄関→玄妙なる関所に入るという意味
お早うございます→お早くござそうろう
いただきます→頂戴致しまして
ドナー→仏教用語では旦那(ダナー)で、お布施をする人のこと。転じて臓器提供者をドナーと呼ぶようになった。
 
喝!
「人間は必ず死にます。『ボクは死にましぇん』なんてあり得ない。100%死にます。だからより良く生きようと努める。今日一日生きていられる確立は80%。明日、生きている確立は50%ほど。そう考えると、今という今がなんと愛おしいことか」
 
「無常。この世の中は常に変化する。常なることなどない。楽しいことはやがて苦しくなり、苦は楽へと変わる。だからいちいち細かいことなどに囚われるな」
 
「欲とは谷が欠けると書く。人間ならば人生、山あり、谷ありが当たり前。その山、谷を嫌がることが欲となる」
 
「人間というものはボケるようにできている。ボケて当たり前なのだ。そのボケを厄介ごとと見ることこそボケているのだ」
 
日本人に危機意識が根付かない文化的背景
日本人の内向的性格・諦めによる心理的効果(熱しやすく冷め易い)
自然観→天の定め、天からの罰、諦め、災害の多い風土(想像力(創造力)の欠如・運命論および天譴(てんけん)論で片付ける
ムラ社会(連帯感、甘えあい、長いものには巻かれよ→絶対服従、障らぬ神に祟り無し→ことなかれ主義、しがらみ、世間体、非合理主義、自己防衛意識の欠如→他力本願、疑う目を持てない国民性
 
元号の語源を知ってますか?
明治は「聖人南面して天下を聴き、に向いてむ」という四書五経(大学、中庸、論語、孟子、易経、詩経、書経、礼経、春秋)のなかの『易経』(説掛・せっか)の言葉。
 
「大正」という元号も『易経』の「いに亨(とお)りて以ってしきは、天の道なり」
 
「昭和」の元号は『書経』の冒頭「暁天・ぎょうてん」の最後にある「百姓(ひゃくせい)明(しょうめい)にして、万邦を協し、黎民(れいみん)大いに変(しげ)り時れやわらぐ」
 
「平成」は『史記』五帝本記の「内らかに外成る」と『書経』の「大禹謨(だいうぼ)」の「地平らぎ天り、六府三事允に治まり、万世永く頼るは、時れ乃の功なり」